男子ゴルフの石川遼(30=CASIO)が9日、男子国内ツアーを管轄する日本ゴルフツアー機構(JGTO)とジャパンゴルフツアー選手会の副会長など、各役職を辞任する意向を示した。11日開幕の三井住友VISA太平洋マスターズ(静岡)出場も辞退する。一部報道で、米国から帰国後14日間の自主隔離期間中、一般客も利用するゴルフ場で練習し、複数で飲食していたと指摘された。

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一連の経緯に違和感を覚えた。自主隔離期間中に、石川が千葉県内のゴルフ場を訪れた写真と記事が「フラッシュ」電子版に報じられたのは8日昼ごろ。同夕方には、批判的な声がネット内にあふれていたが、同日中に石川サイドから具体的な動きはなかった。

批判的な声が一段と強まった印象のあった9日の午前9時過ぎに、石川は「一部至らない点があった」との謝罪文書を発表したが「一部」などの文言で、また批判は増した。その約2時間後に欠場を発表と、後手後手に回った印象を受けた。

感染症対策の点からも、道義的な点からも、石川は会見などを開いてよいか判断に迷ったかもしれないが、結果的には直接取材に応じず、リリースの文言だけが独り歩き。心証を悪化させた。ツアーを管轄するJGTOも9日午後2時になって「検証結果をも踏まえ最終的な処遇を決定」と声明を出すなど、ゴルフ界の対応の遅さを印象づけた。

選手会の副会長だった石川をはじめ、選手会役員はコロナ禍で、自身の練習時間を削ってまでスポンサー各社へ、大会の安全な開催を約束して回った。結果的に、そんな努力を裏切る行動になってしまった。コロナ禍のルールに対する、認識が甘すぎたと言わざるを得ない。【ゴルフ担当=高田文太】