青木瀬令奈(30=リシャール・ミル)が最大8打差を大逆転し、今季初勝利を挙げた。

8バーディー、ノーボギーの64をマークし、通算17アンダー、199と大会記録を3打更新した。昨年7月の資生堂レディース以来のツアー通算4勝目は、史上14人目となる54ホール以上ノーボギーでの優勝だった。2位は笹生優花、単独首位で出た上田桃子は3位に沈んだ。昨年全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希は16位でベストアマを獲得した。

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大西翔太コーチは青木の勝因に「淡々と自分のプレーにフォーカスしていたこと」を挙げた。

昨季最終戦の2日後からトレーニングを始め、オフはほぼ毎日をトレーニングと練習に費やした。その成果として、女子プロの中ではかなり遅いヘッドスピードは37・5メートル/秒から39メートル/秒に上昇。飛距離も15ヤード伸びた。交流のある渋野日向子から斎藤大介トレーナーを紹介してもらい、トレーニング指導を受けたことも助けになった。

ヒップホップ歌手のAK-69の楽曲が勝負曲。試合前、覚悟を決める時に聴き自分を奮い立たせる。また、サッカー元日本代表の遠藤保仁氏ら各界のトップレベルと交流。そこで得た金言も成長につなげている。

「最大の敵は自分」が口癖。大西氏は「『人生は選択の連続』と常に自分と闘っている」と青木の姿勢を明かした。今大会では開幕前と最終日前日の2回、鹿児島神宮を訪れて必勝祈願した。青木は「とにかく気持ちを伝える。チャンスはゼロではないと思って。すべてできることをやろうと。私生活の選択の場面でも、ゴルフのためになる方を選べている。すごく成長した部分」と自負している。