6年ぶり日本人6人目となる、国内女子ツアーのアマチュア優勝が、現実味を帯びてきた。46位から出た大阪桐蔭高2年の岩永杏奈(16)が、この日のベストスコアに並ぶ「67」で、7位に急浮上した。5バーディー、ボギーなしと5つ伸ばし、通算7アンダー、137。首位との差を、スタート前の5打から3打に縮めた。優勝すれば19年の古江彩佳以来。第1ラウンド(R)はホールインワンで100万円を獲得し、第2Rはベストスコアと、勢いに乗って最終日に臨む。
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まぐれじゃないことを証明した。前日にホールインワンで100万円を獲得した岩永が、今度は実力でゴルフファンを沸かせた。前半の3番で7メートル、4番で5メートルと、立て続けに長いパットを決めてバーディーを先行。12番パー4は、第2打を30センチにピタリとつけて難なく伸ばした。伸ばし合いの展開だった第1Rとは一転、雨と寒さで多くの選手が伸び悩む中、堂々のベストスコア「67」。最後までボギーをたたかなかった。
「アマチュアのうちに、できたら優勝したいし、ツアーは常にそれが目標」。ホールアウト後、静かな口調の中にも強い意欲を示した。10代でアマチュア優勝を果たした日本人は、過去に宮里藍さん、勝みなみ、畑岡奈紗、古江と、いずれも後に米ツアーで活躍。本来は高校3年時(古江の世代までは高校卒業後)に初めてプロテストの受検資格を得るところ、アマチュア優勝を果たせば即プロに転向可能。ドライバー平均飛距離は230ヤードで「飛ぶ方じゃないので、高校の先輩の山下美夢有さんみたいに正確なショットを打てるプロになりたい」と夢見る。
前日10日には同じ兵庫県出身で、同い年の後藤あいが下部ツアーで史上7人目のアマチュア優勝を達成した。「あいちゃんとは10年くらいの仲。すごく身近な子が勝って自分も頑張らないと」と、刺激を受けた。レギュラーツアーは13戦目で、予選通過は今回で6度目。昨年の日本女子オープンでは16位にも輝いた。
日本女子プロゴルフ協会によると、前日のホールインワンの100万円は、ツアーでは高校生が獲得した歴代最高の賞金額で、従来の最高は30万円だった。特に難度の高い、16番パー3でホールインワン達成なら500万円。「最終日は狙う?」と問われると「はい!」と即答し、笑顔を見せた。勢いに加え、周囲や自身が新たな道を切り開く流れもできてきた。アマチュア優勝の快挙へ、お膳立ては整った。【高田文太】
◆岩永杏奈(いわなが・あんな)2009年(平21)1月20日生まれ、兵庫・尼崎市出身。5歳からゴルフを始め、小学2年から本格的に取り組む。同3年時に初めて達成後、ホールインワンは今大会で8度目。23年日本ジュニア選手権女子12~14歳の部優勝。国内レギュラーツアーは23年から過去12戦出場し、昨年日本女子オープンで16位、今年リゾートトラスト・レディースで21位。趣味は睡眠で「1日20時間寝たことも」。163センチ。家族は両親と妹2人。血液型O。

