<女子ゴルフ:日本女子オープン>◇初日◇27日◇横浜CC西C(6545ヤード、パー72)◇賞金総額1億4000万円(優勝2800万円)

 木戸愛(22=ゼンリン)が4バーディー、1ダブルボギーの2アンダー70をマークし、首位と2打差の2位と好発進した。パーオン率今季6位のショットに加え、構えに入るまでの一連の動作を変えたパットが好調。アンダーパー5人の難コースを攻略し、日本人最上位につけた。今季全米女子プロを勝っているフォン・シャンシャン(23)が、4アンダー68で単独首位に立った。

 難コースの重苦しい空気を、愛くるしいスマイルが吹き払った。最終9番パー4。木戸は8メートルのバーディーパットがカップのふちを1周してからコロリと転がり込むと、はじける笑顔でガッツポーズ。海外メジャー勝者のフォン・シャンシャンら5人しかいないアンダーパーで初日を終えた。

 序盤の11番パー3でダブルボギー。苦しい滑り出しだったが「パットのひらめきがあった」と16番のバーディーで波に乗り、5メートル以上のパットを決め続けた。「昨日まではパターの感触が悪かった。気持ちよく構えに入れなくて」。浮上のきっかけは、前夜自宅でビデオを見ながら行ったパター練習。優勝したサマンサタバサレディースでの自分のパット映像などから、貴重なヒントを得た。

 一夜明けたこの日から、パットに入るまでの一連の動作を変えた。半身でラインを確認してから構えに入る。「気持ちよくアドレスに入れるようになって、ボールとのコンタクトもよくなった。この大会に間に合ってよかった」。

 元プロレスラーの父修さんが運転する自家用車で、神奈川県内の自宅から会場まで約35キロを通う。「家族と話すのが好きなので、リラックスできていい。母のつくる料理も大好き」。

 地元開催に加え、今大会は所属のゼンリンが特別協賛する“ホステス大会”でもある。プロアマで同組になった同社の高山善司社長とは「土日は私を見に来てください」と約束もした。2日目以降も上位に食らいつき、優勝争いの中での「御前試合」を実現する。【塩畑大輔】