<全国高校バスケット選抜優勝大会:札幌日大93-76城東>◇男子2回戦◇25日◇広島グリーンアリーナ

 札幌日大(北海道)が城東(徳島)を破り、2回戦を突破した。U-18日本代表候補の経験がある高橋耕陽(3年)、弟の裕作(2年)が2人で合計41得点を挙げ、チームを勝利に導いた。序盤にリードを許す展開だったが、身長190センチの兄と168センチの弟が抜群のコンビネーションを見せて逆転。前日の大会初勝利に続き、2勝目を挙げた。今日26日の3回戦で、沼津中央(静岡)とベスト8入りをかけて対戦する。

 仕上げも高橋兄弟のコンビネーションだった。79-48と差のつき始めた第4クォーター(Q)の開始2分。センターライン付近でパスカットした弟裕作が、即座に前方の兄耕陽にボールを送る。兄は体を左右に鋭く振るフェイント一発でDFをかわし、鮮やかに城東を突き放すゴールを決めた。「兄のいる場所は、見なくても分かります」。試合後、裕作は胸を張った。

 2人で試合を決めた。第1Qは19-23とリードされたが、裕作が得意のミドルシュートなどで8点を挙げ、嫌な流れを5点差に踏みとどめた。第2Qは、エースの耕陽が本領を発揮。厳しいマークを振り切って10点をたたき出し、逆転劇をけん引した。終わってみれば兄が21点、弟が20点。チーム1、2位の得点で3回戦進出を決めた。「劣勢の時に裕作がよく試合をつないでくれた。耕陽の動きもよくなってきた」と、長野雅男監督(62)も手放しで兄弟の活躍をほめた。

 小学3年で先に兄、半年後に弟が競技を始めた。おもちゃの取り合いで殴り合うこともあった2人がバスケットと出会い、「ほとんどケンカしなくなった」と母圭子さん(37)は話す。好き嫌いのない耕陽はごはんを丼で3杯食べた後、ブロッコリーなど裕作が残したものをたいらげた。そしてすぐに10時間の睡眠に入った。弟は音楽などを聴いてから、7時間ほど寝る生活。気がつけば20センチ以上の差がついた。「背で追い付くのは、中学であきらめた」と裕作は話す。

 背の差はついても役割分担し、同じコートに立ってきた。兄は長身を生かしてゴール下で勝負し、弟はやや離れた位置から正確にゴールを狙う。兄が旭川北門中3年の時には2人で全道大会出場を目指したが、上川地区大会の1週間前の体育授業で裕作が高跳びの着地に失敗し右肩を骨折。チームは決勝で敗退した。「弟と一緒に戦える最後の大会。2人でもう少し頑張りたい」と耕陽。あと1勝で、目標の8強にたどりつく。