<高校総体:競泳>◇19日◇女子800メートル自由形◇新潟・長岡市ダイエープロビスフェニックスプール

 女子800メートル自由形で浅山美貴(磐田農3年)が金メダルに輝いた。プラン通り200メートルで先頭に立つと残りは独泳。8分44秒79でゴールすると人生初の全国制覇にガッツポーズした。38秒台のタイムを狙っていたが「タイムはちょっと悔しいけど、表彰台は気分的に県大会とは違う高さ。感じたかった重さのメダルですね」とかみしめた。

 0歳のころ、左足の股関節脱臼で医師から「筋肉を付けないと歩けなくなる」と言われ、ベビースイミングに通った。小学校までは遊び感覚の水泳だったが、中学で長距離に転向し才能が開花。高校では多い時で1日1万5000メートル泳ぎ、昨年の高校総体は2種目で銅メダルをつかんだ。同級生が青春を楽しんでいる姿を見て「何で自分だけがこんな苦しいことをしているのだろう」と迷ったこともある。しかし、中学2年の弟優太さんが「ここまで来てつまらないレースすんなよ」と一喝され、再点火した。「てっぺんに登りたかったから泣くほど練習した。頑張って良かった」。

 父は日本人で母はブラジル人。目標は母の故郷で行われるリオデジャネイロ五輪だ。「もう迷いません。リオまでは水泳に没頭します」と誓った。【岩田千代巳】