宮城代表の仙台商・千葉伸次監督(49)と長男の千葉剛大主将(3年)の高校3年間の「親子鷹」が終わった。初戦の2回戦で高岡第一(富山)にストレート負け。一昨年の16強を超えるチーム記録更新はならなかった。千葉監督は「宮城の代表としてもう少し勝ちたかった。残念だけれど精いっぱいやった結果なのでしょうがない」と振り返った。

 1回戦を勝ち上がってきた相手に対し、初戦の硬さが出た。第1セットは1度もリードを奪えずに失った。だが、第2セットは千葉剛主将のバックアタックやジャンプサーブなどで終盤まで競り合う粘りを発揮。ジュースに持ち込まれ、4度のセットポイントをものにすることはできなかったが、最後まで笑顔でプレーした。28-29から自らのスパイクが相手ブロックにつかまった千葉剛主将は「終わったなという気持ち。力不足でした」と潔く負けを認めた。

 現チームでただ1人、1年時からレギュラー。高校総体と国体を含め、全国出場をかけた県大会は3年間負けなし。9大会連続の全国出場を果たし、千葉監督と二人三脚で仙台商の黄金期を築いた。千葉剛主将は「最初はやりにくかったけれど、自主性に任せてくれた。父と一緒にできてよかった」と感謝した。千葉監督も「もう少し長く試合がしたかった。3年間いろいろな面で頑張ってくれたので『お疲れさま』といってあげたい」とねぎらった。

 今春卒業後は父と同じ日体大に進学する。千葉監督の言葉を伝え聞いた千葉剛主将は「父の期待に応えられなくて残念です」と初めて涙。「大学では会場を沸かせる、あっと驚くプレーをしたい」と夢を広げた。【佐々木雄高】