東軍のロック岸野楓(3年=岐阜聾学校)が聖地でフル出場を果たした。

 後半29分に自陣でボールを受けると、約30メートルの快走を披露。「長く走れたので忘れられない思い出になりました。障害があっても無理だと思わないで、やればできるということをアピールしたかった。障害のある人にも勇気を持って欲しい」と感慨深げに振り返った。

 岸野は2年連続の東西対抗戦出場。小学2年生からラグビーを始め、耳が聞こえないハンディの中でも懸命に打ち込んできた。「声が聞こえないので、事前に指でサインを作ってもらって、チームになじませてもらっています」。すでに今春からの早大教育学部進学が決定。ラグビー部入部を希望し、将来は体育教師を目指す。聾学校での生活も残りわずかだが「スタミナがまだまだなので、もっと練習して高めたい」と休むことなく努力を続ける。