南アフリカ代表72キャップを誇る神戸製鋼CTBジャック・フーリー(33)が現役引退した。

 15-24とリードされた後半21分に途中出場。得点につながるプレーはなかったが、大声で仲間に防御ライン整備の指示を送り続けた。最後までポリシーを貫いた世界的スターは「自分のタイミングでやめたいと思っていた。これがベストなタイミングだと思う」と決断について語った。

 南アフリカ代表として07年W杯優勝などに貢献。11年の来日後はパナソニックでプレーし、翌12年から神戸製鋼に在籍した。近年は疲労の回復が遅くなり、昨夏の合宿後に引退を決めたという。この日はフランカー橋本大輝主将(29)から声をかけられ、入場の際に主将に代わって先頭を歩いた。スタンドからは「フーリー! フーリー!」と別れを惜しむコールが響いた。

 今後は南アフリカに戻り、1年をメドに家族や友人とのリラックス期間を設ける予定。コーチングに興味を示しており「神戸のみんなは家族。『(コーチとして)来てくれ』と言われれば、行くよ」と将来的な神戸製鋼での指導にも意欲を見せた。

 「神戸で成功(優勝)を収められなかったけれど、それでもサポートに感謝しています。すごくロイヤルティー(忠誠)があります」

 家族も呼び寄せて暮らした神戸。フーリーは迷うことなく異国の地でジャージーを脱いだ。