“3代目”が飛び込み界初のメダルを獲得する。親子3代の五輪出場を目指す、飛び込みの金戸凜(14=東京・日出中)ら、日本スポーツ振興センター(JSC)の20年東京五輪、24年パリ五輪に向けた「有望アスリート海外強化支援」事業の対象選手が30日、都内で会見した。

 昨年から始まった「有望アスリート海外強化支援」事業だが、選ばれた選手は、今年の世界選手権で飛躍している。陸上のサニブラウン・ハキーム(18)は男子200メートルで決勝進出。卓球の平野美宇(17)は日本勢48年ぶりの女子シングルス銅メダル、張本智和(14)は史上最年少でベスト8に入った。

 対象選手は、海外合宿に参加し、海外リーグに参戦できる。コーチ、栄養士、トレーナーなども同行。1人で最高3000万円の強化費が拠出される。今回は従来の平野ら9人に、飛び込みの金戸、卓球の伊藤美誠(16=スターツ)早田ひな(17=福岡・希望が丘高)の3人が加わった。

 親子3代で五輪出場を目指す金戸。祖父俊介さん(77)と祖母久美子さん(81)は64年東京など2大会の代表。父恵太さん(50)と母幸さん(48)は88年ソウルから3大会に出場している。金戸はオーストラリア・シドニーのニューサウスウェールズ・スポーツ研究所に拠点を置く。08年北京五輪男子高飛び込みで、強豪の中国勢を抑えて金メダルを獲得したマシュー・ミッチャムらを輩出するなど、抜群の練習環境がある。

 10月末にオーストラリアに出発する“3代目”は「日本飛び込み界に五輪メダルはない。自分が第1号になれたらいい」と、親子3代の悲願を口にしていた。