Bリーグ初代王者の栃木ブレックスが、連覇へ好発進した。ホームでシーホース三河と対戦。第1クオーター(Q)で8点のリードを許したが、激しい守備と速攻で第2Qに逆転。チーム10年目の田臥勇太主将(36)と新加入の選手や若手がかみ合い、78-64で快勝した。新任の長谷川健志監督(57)にとってはうれしいプロ1勝となった。

 第1Qの8点差も長谷川監督には想定内だった。「立ち上がりの攻撃がうまくいかないのはうちの課題。その中で守備を頑張っていれば流れはくる」と選手たちに守備への集中を求め、第2Qの逆転劇をもたらした。青学大監督時代の教え子で日本代表の三河のエース比江島には、間合いを詰めてプレッシャーをかけ続けることを指示。ジワジワと守備で追い詰めて、勝利を導き出した。

 青学大でインカレや関東リーグ戦など20冠を獲得。日本代表で実績を残した名将はプロ初戦でも鮮やかに勝利を奪った。「これだけお客さんがいるとやっぱりプロを実感する。大学とも代表とも違う新たなステージで選手と一緒にプレーできて感謝の気持ちでいっぱい」としみじみ語った。

 監督が交代し、エース古川が移籍するなどチームは大幅に変わった。それでも変わらない栃木の激しい守備を引き継ぎつつ、選手に考えるバスケットを説く。若手の生原はベンチで戦況を見ながら「田臥さんと同じことをやっても意味がない。ボクは点を取る」とチーム3番目の14点を挙げ、勝利に貢献。田臥らベテランと新加入、若手が融合し、開幕戦勝利をつかみ取った。伝統の守備に長谷川イズムを加え、新しい栃木が連覇へ始動した。【桝田朗】