世界64位の大坂なおみ(19=日清食品)が、4大大会7度の優勝を誇る同5位のビーナス・ウィリアムズ(米国)を7-5、6-2で破り、ベスト8に進出した。日本女子がトップ5から金星を挙げるのは、06年全仏1回戦で森上亜希子が当時3位のペトロワ(ロシア)を破って以来、11年ぶり。準々決勝で同21位のパブリュチェンコワ(ロシア)と対戦する。

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 「和製ウィリアムズ」が本家を打ち砕いた。大坂が憧れのウィリアムズ姉妹から、ついに初めての勝ち星を挙げた。「ビーナスと対戦できて本当に名誉なこと。いいプレーができた」。パワーでのガチンコ対決でビーナスを打ち負かした。

 第1セット3-5から9ゲーム連取と圧倒した。4-5からビーナスのサービスゲームを破り追いつくと、エンジン全開。サーブが不調のビーナスにリターンで主導権を握り、強打をたたき込んだ。

 公営コートでテニスを学び、父親がコーチで、パワフルなテニスという共通項から和製ウィリアムズと呼ばれた。自身も「姉妹がいなかったらテニスをやっていなかったかも」と言うほど憧れていた。初対戦となった7月のウィンブルドン3回戦は善戦しながらストレート負け。その雪辱を香港で果たした。

 ◆日本女子対ビーナス 日本女子は過去29回対戦して、勝ったのは16年BNPパリバ・オープン2回戦で、奈良くるみが6-4、6-3で勝った1度だけ。しかし、その時のビーナスは世界12位だった。トップ10のビーナスを破った日本女子は、今回の大坂が初めてとなる。