今週末の10月27〜29日に行なわれるメキシコGPで、マクラーレン・ホンダは2台ともに新品パワーユニットを投入することを決めた。これにより年間4基の使用制限違反によるペナルティーを受けてグリッド最後列からスタートすることになった。

 

 前戦USGPでMGU-Hにトラブルが発生したフェルナンド・アロンソ車のパワーユニットは、英国ミルトンキーンズの活動拠点に送り返されチェックを受けている。まだ過去に使用したストック品があるため新品を投入せずメキシコGPを戦うことも可能だが、メキシコGPはサーキット特性的に好走が期待できないため、ここで新品を投入してグリッド降格ペナルティーを消化し、次戦ブラジルGPと最終戦アブダビGPの今季残り2戦に万全の体制で臨むことを決めた。ICE(エンジン本体)、TC(ターボ)、MGU-H(熱エネルギー回生ユニット)を新品に交換して計20グリッド降格ペナルティーを受ける。

 

 「ウチのマシンパッケージにとって最高ではないここでパワーユニットを交換してペナルティーを消化する。どうせ交換(してペナルティーを受ける)なら他のコンポーネントも換えた方が良いんだ」(アロンソ)

 

 ストフェル・バンドールンは前戦USGPで投入したコンポーネントで残り3戦を戦えるが、やはり下位低迷が確実視されるだけにここで新品を投入して“ストック”を作っておこうという考えだ。ICE、TC、MGU-H、MGU-K(運動エネルギー回生ユニット)とも新品に換えて計25グリッド降格ペナルティーを受ける。

 

 他にペナルティーを受けるドライバーが現われない限り、日曜の決勝はアロンソ19番、バンドールン20番グリッドからのスタートとなる。

 

 メキシコ市は標高2200メートルに位置しており、空気が平地に比べ20%ほど薄い。そのためエンジン出力が低下するのをターボ過給圧を上げて補わなければならないが、ライバルメーカーに比べてホンダ製パワーユニットはその影響が大きくなる見込み。さらに空気の薄さゆえにダウンフォース発生量と冷却性能も低下するため、車体面でも不利が大きくなると予想されている。(米家峰起通信員)