トランポリン男子で、12年ロンドン五輪4位、16年リオデジャネイロ五輪6位入賞の伊藤正樹(28=東栄住宅)が27日、20年東京五輪を最後に現役を退くことを明らかにした。

 11月9日開幕の世界選手権(ブルガリア・ソフィア)に向けた試技会が、この日、都内で行われ、伊藤は腰痛のために参加しなかったが、「東京が最後。引退と決めている」と話した。

 「トランポリンをメジャーにしたい」と、常々言い続けてきた。自身初の五輪出場となったロンドン前には、同年代で、まだ面識がなかった体操の内村航平を意識。「体操は多くの人が注目する。トランポリンも、自分がメダルを取って、そうさせたい」と話した。その後、雲の上の存在だった内村とも交流が芽生え、ともにロンドン五輪に挑んだ。しかし、伊藤は銅メダルの中国選手と、わずか0・424点差で4位。メダルを逃した悔しさで涙を流した。

 昨年のリオ五輪も6位だった。「もう年齢も年齢。この元気な間に、若い選手を引き上げて、その壁にもなりたい。そして東京で最後を飾りたい」。自身にとっても、日本トランポリン界にとっても悲願のメダルで有終の美を飾る。