ホンダは12日、2018年のスーパーGT選手権の参戦体制を発表し、2009年F1王者のジェンソン・バトンのフル参戦を明らかにした。2013年スーパーフォーミュラ王者の山本尚貴とともにTEAM KUNIMITSU(チーム・クニミツ)の100号車NSX-GTをドライブし、F1王者としては初のスーパーGT参戦となる。

 きっかけは昨年8月のスーパーGT第6戦、鈴鹿1000kmにスポット参戦したこと。その際にバトンがスーパーGTの面白さを知りぜひフル参戦したいと話が進んだとホンダの山本雅史モータースポーツ部長は語る。

「昨年の鈴鹿1000kmが終わってすぐに『このレースは面白すぎる!』ということでジェンソンも『ちゃんとやりたい』という話になりました。予想以上のグリップの高さやコーナリングの速さ、GT300クラスとの混走など、今までに経験したことのない面白いレースで、ぜひフル参戦してチャンピオンを目指したいということでした」

 スーパーGTでは2010年以来タイトルから遠ざかっているホンダだが、バトンの参戦による効果もあり2018年はスーパーGTでのタイトル獲得を目指す。

 「目標はもちろんシリーズチャンピオンです。王座獲得は100号車に限らずホンダ陣営5チームならどこでも良いですが、ジェンソンは勝ちに対するこだわり方が半端じゃないんです。17年もF1に乗ってきてワールドチャンピオンにもなっているわけですからね。苦しかったときのノウハウもあるし、ホンダ陣営5チームの底上げのためにいろんな技術を伝承してくれればとも思いますね」。

 なお、一部ではバトンがF1での経験を生かしてテスト車両のドライブなどホンダのF1用パワーユニット開発にも協力するのではないかとうわさされているが、これについては山本部長は「走らない、走らない(笑)。そんな報道もありましたが、今のところはそういう話はないですね」と否定している。(米家峰起通信員)