北朝鮮から12人もの選手を受け入れるアイスホッケー女子の韓国は、大きな戸惑いの中で平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)への最終準備に入る。20日にスイスのローザンヌで開かれた4者会談で五輪初の南北合同チーム結成が決定。韓国の都鍾煥・文化体育観光相は「いち早く合流して呼吸を合わせることで北朝鮮側と論議した」と話したが、具体的な計画は見えていない。

 2014年から韓国を率いるカナダ人のサラ・マリー監督は、韓国メディアに「北朝鮮選手の中に戦力になりそうな選手は2、3人にすぎない」とし、選手起用について「圧力が生じないことを願う」と率直に懸念を示していた。

 今回の合意では試合ごとに最低3人の北朝鮮選手を登録メンバーに加えることが条件づけられた。政治主導で決まった南北合同チームで北朝鮮選手を出場させない判断は難しく、聯合ニュースは「監督にあまりにも大きな負担を強いることになる」という代表チーム関係者の声を伝えた。

 16日には韓国の李洛淵首相がアイスホッケー女子について「(もともと)メダル圏内にあるわけではない」と発言したように通底するのは「現場軽視」の感覚。監督、選手に大きな負担を背負わせて合同チームは動きだす。