9月の世界選手権(アゼルバイジャン)代表最終選考会を兼ねた柔道の全日本選抜体重別選手権が7日、福岡国際センターで開幕する。2月のグランドスラム・パリ大会を制した男子90キロ級の向翔一郎(22=ALSOK)は「打倒、ベイカー!!」を掲げた。

 6日、福岡市内で行われた記者会見で向は、本格的に復帰するリオデジャネイロオリンピック同級金メダルのベイカー茉秋(23=日本中央競馬会)について「ベイカーさんが100%の状態で勝つのがベストだし、勝つ自信はある。東京五輪代表になるまで喜んでいられない」と闘志を燃やした。

 学生時代は目立つことが大好きだったが、今春から社会人となり改心した。初優勝した昨年の同大会表彰式後には、ベイカーとの差を実感し「柔道は負けるけどスタイルは負けない。流行の塩顔です」と発言して会場を沸かせた。しかし、この日は一転し、言葉を慎重に選び「更生しました」とだけ言った。

 特にベイカー対策はなく「いつも通り」と平常心を貫く。スーツの上着には東京五輪のロゴが入ったALSOKのピンバッジを付け、新社会人と東京五輪への強い思いをアピールしていた。「変に緊張してないし、純粋に試合を楽しみたい。『やれば出来る』と信じています」と、静かに気持ちを高めていた。