男子73キロ級は世界王者の橋本壮市(26)が決勝で、66キロ級で五輪2大会連続銅メダルの海老沼匡(28=ともにパーク24)に優勢勝ちし、2年連続3度目の優勝を果たした。2月に規律違反で強化指定選手を降格。苦難を乗り越えて完全復活をアピールした。大会は9月の世界選手権(アゼルバイジャン)代表最終選考会を兼ねており、橋本は最有力候補になった。今日8日に最重量級を除く男女各6階級の代表が決まる。

 勝利で恩返しした。橋本は同じ所属の海老沼との対決で序盤から得意の組み手争いで優位に立った。試合開始1分46秒、逆技の腰車で技ありを奪い、優勢勝ち。「柔道界全体に迷惑をかけて、勝って恩返しするしかなかった。ホッとしている」と胸をなで下ろした。

 2月に国立スポーツ科学センターの宿泊施設へ夜間に無断で知人を招き入れたとして、強化指定Bに降格など6項目の処分を受けた。問題が発覚した日にバリカンを購入して高校生以来の6ミリの丸刈りにした。小学生の柔道教室に週1回参加して改心。「子どもたちによい手本となる柔道家になりたい」と話した。

 学生時代は手を骨折しても試合に強行出場した、逆境に強い性格。決勝では五輪王者、大野将平との対決が実現せず「20年東京五輪につなげるためにも次は大野に勝って優勝したい」と、同級生ライバルへ闘志を燃やした。