算数を学んで五輪を知ろう-。2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が12日、東京・渋谷区立山谷小で「東京2020算数ドリル」を活用した授業を公開した。

 00年シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さん(45)と08年北京五輪男子400メートルリレー銅の高平慎士さん(33)塚原直貴さん(32)が、子どもたちと一緒に算数を楽しんだ。

 各自の50メートル走のタイムから「1秒あたりの走った距離」を求める「速さ」の問題など、体を使って勉強。子どもたちは「算数は嫌いだったけれど、五輪は興味あるので楽しい」と歓迎していた。

 授業にはスポーツ庁の鈴木大地長官(51)も参加。「楽しんで学び、五輪を知ることもできるのは素晴らしい」と話した。

 仕掛け人は、J1川崎フロンターレでもMF中村憲剛らが登場する「算数ドリル」を作った天野春果氏。組織委員会エンゲージメント企画担当部長を務める同氏は「サッカーは単一競技だったけれど、五輪は33競技もあるので大変でした」と話した。

 ドリルは6年生向けの算数副教材で、上巻は五輪、下巻はパラリンピックが題材となる。今年は渋谷の区立小学校18校が活用するが、天野氏は「来年は他の地域にも広がればうれしいですね」と話していた。