世界ランキング21位の錦織圭(28=日清食品)が今日30日(第1試合が日本時間午後6時開始の第2戦)の全仏オープン男子シングルス2回戦で、右手首のけがから復帰後、初めて天敵と対戦する。

 同51位のブノワ・ペール(29)は、テニス界で奇人変人として知られる。プレースタイルは、凡ミスとスーパーショットの嵐。また、フォームが一定ではなく、打球のコースを読みづらい。何をしてくるか全く分からず、配球やくせを読みながらプレーする錦織には、非常にやりづらい相手だ。対戦成績は錦織から3勝2敗。

 錦織は、14年全米オープンに準優勝し、翌年の同大会では優勝を狙って乗り込んだ。しかし、1回戦でペールと対戦。第4セットでマッチポイントを握りながら、フルセットの逆転で敗れた。

 同年の楽天ジャパン・オープン準決勝では、第1セット快勝しながら、これも逆転で敗退。錦織にとって、重要な舞台で連敗したことで、ペールの存在は、日本のファンに強烈な印象を残した。ただ、続く16年バルセロナ・オープン準決勝では、錦織がストレート勝ちしている。それが最後の対戦となった。

 今回、ペールは、1回戦で髪の毛を薄いグレーにして登場。ひげは黒いままで、「少しイメチェンしたかった。まるで(ドラゴンボールの)孫悟空みたいだろう」。地元の4大大会で、並々ならぬ気持ちが入っているようだ。

 舞台は、錦織自身7度目となる全仏のセンターコート。錦織にとっては、埋め尽くされる観客のすべてが敵に回る。加えて、変則プレーが相手で、精神的にいらだったら負けだ。しかし、今の錦織は、心身ともに非常に充実している。練習も笑顔が多く明るい。ペールのプレーにも、観客にも動じなければ、それほど心配することはないだろう。