日本バスケットボール協会は11日、男子ワールドカップ(W杯)アジア1次予選の29日のオーストラリア戦、7月2日の台湾戦の日本代表候補24人を発表した。NCAA(全米大学体育協会)1部のゴンザガ大でプレーする八村塁(20)が帰国し、都内で行われた会見に出席。これまでも日本代表候補に名を連ねたことはあるものの、試合に出場する12人に選ばれれば初の日本代表となる。八村は、203センチ、102キロの大きな体を生かし「高さと動けるオフェンスや攻守の切り替えからの速攻で貢献したい」と意気込んだ。

 4月に日本国籍を取得した、Bリーグの16-17年シーズン得点王でMVP、17-18年リバウンド王のファジーカス・ニック(32=川崎ブレイブサンダース)も初めて日本代表候補となり「楽しみ。目標である2020年の東京五輪(オリンピック)に向けて頑張りたい」と話した。

 W杯アジア1次予選B組で日本は4戦全敗で最下位の4位。3位までが進出できる2次予選に向けて、まさに崖っぷちの状況にある。八村、ファジーカスの加入により、かねての課題だった高さとリバウンドにも強さが増す。日本協会の東野智弥技術委員長も「のどから手が出るほど欲しかった。八村はゴンザガ大に行ってリバウンド力が上がった。Bリーグリバウンド王のファジーカスも入って、リバウンドの強化に直結している。彼らはリバウンドを取った後にそのまま自分で攻撃に行ける速さが魅力」と目を細めた。

 日本が東京五輪で開催国枠を獲得できるかどうかは、19年夏に行われる国際バスケットボール連盟(FIBA)の中央理事会で判断される。13年2月にFIBAからトップリーグの一元化、ガバナンスの改善がなければ、国際大会出場資格停止処分、東京五輪開催国枠の適用を見送ると勧告された。しかし、改善されず14年11月に制裁が執行。以降、川淵三郎前日本協会会長を中心に、協会のガバナンス強化、新リーグ新設に向け取り組み、15年8月に制裁は解除され、16年9月にBリーグが新設された。開催国枠を得るためには代表の強化も必須とされ、強化に努めてきた。W杯アジア予選を勝ち抜き、日本バスケの強化ぶりアピールすることが重要な意味をもっている。

 日本代表候補となった24人は以下の通り。

 太田敦也(34=三遠ネオフェニックス)、竹内譲次(33=アルバルク東京)、ファジーカス、古川孝敏(30=琉球ゴールデンキングス)、橋本竜馬(30=シーホース三河)、篠山竜青(29)、辻直人(28=ともに川崎)、比江島慎(27=三河)、熊谷尚也(27=大阪エヴェッサ)、宇都直輝(26=富山グラウジーズ)、永吉佑也(26=京都ハンナリーズ)、田中大貴(26=A東京)、西川貴之(26=三河)、張本天傑(26=名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、富樫勇樹(24=千葉ジェッツ)、ベンドラメ礼生(24=サンロッカーズ渋谷)、渡辺雄太(23)、馬場雄大(22=A東京)、玉木祥護(21=筑波大)、平岩玄(20=東海大)、シェーファー アヴィ 幸樹(20=ジョージア工科大)、八村、デーブス海(19=ノースカロライナ大ウィルミントン校)、田中力(16)。