世界ランキング48位の日本が、同31位の韓国を下した。米国・NCAA1部ゴンザガ大の八村塁(20)が先発出場し、17得点と鮮烈なトップ代表デビューを飾った。さらに米国から日本に国籍変更したファジーカス・ニック(32=川崎ブレイブサンダース)も28得点13リバウンドと大活躍。強力な新戦力を迎え入れた新生「アカツキファイブ」が、4戦全敗中のW杯アジア1次予選突破へ弾みをつけた。

 210センチのファジーカスと203センチの八村が、第1クオーター(Q)から躍動した。試合開始約3分間、得点が伸びない日本代表だったが、八村の連続得点で流れを引き寄せると、比江島慎(27=シーホース三河)の3点シュートで逆転に成功した。センターのファジーカスは、ポストプレーを中心に10得点。格上相手に第1Qを27-20で終えた。

 第2Qでは熊谷尚也(27=大阪エヴェッサ)が右足の故障でベンチに退く場面もあったものの、韓国のファウルトラブルにも助けられ、フリースローで着実に加点した。前半を49-38で折り返す。

 第3Qは韓国の攻撃を抑えることができず、苦しい時間帯となった。それでも第3Q終了間際に竹内譲次(33=アルバルク東京)のダンクシュートが飛び出すなど、同点には追いつかれなかった。67-62で第4Qへ突入する。

 第4Qでは八村のダンクシュート、古川孝敏(30=琉球ゴールデンキングス)の3点シュートなどで得点を刻み、追い上げる韓国を振り切った。

 フリオ・ラマス監督(54)は「最初の5分は韓国にリードされたが、その後は我々がコントロールできた。守備も良く、リバウンドも取れたため、その後の速攻につながった」と総評を語った。八村とファジーカスが加わったことで「リバウンド、ミドルレンジからでも点が取れるようになった」と新体制に手応えを感じた。

 期待通りの活躍を見せた八村は「練習通りやっただけ。チームが勝って良かった」と淡々と語った。この試合に向けて日本協会は八村の代表加入を「日本の希望が帰ってきた」とポスターなどで打ち出し、注目をあおっていた。勝利後のインタビューでプレッシャーを感じたか、と問われた八村は「特に感じなかった。小さい頃から(年代別の)日本代表をやっているので」と大物発言。会場はどよめきと笑いに包まれた。

 W杯アジア1次予選で4戦全敗中でB組4位の日本は、29日にオーストラリア戦(千葉ポートアリーナ)、7月2日に台湾戦(台湾)を控えている。