【ウィンブルドン=吉松忠弘】世界18位の大坂なおみ(20=日清食品)が、サッカーワールドカップ(W杯)日本代表の奮闘に感銘を受け、初戦の難敵を突破した。多彩なショットでかき乱すプレーで有名な同61位のニクレスク(ルーマニア)に6-4、6-1で快勝。試合後は、日本代表のユニホームを着て記者会見に臨んだ。2回戦は、同122位のボールター(英国)と対戦する。

 上機嫌で試合後の会見に現れた大坂が着ていたのは、“サムライブルー”W杯日本代表のユニホームだった。「(ベルギー戦に)感銘を受けた。日本が負けた後に、自分は負けたくなかった」と、サムライ魂を注入。フォアの逆回転球を持ち味にするなど、トリッキーな相手を簡単に下した。

 今大会は、バイン・コーチらと会場近くの一軒家で共同生活する。大坂はサッカーに興味がなかったが、バイン・コーチらが連日、W杯をテレビ観戦。2日の日本-ベルギー戦は、「せっかくだったから、みんなと一緒に楽しんだ方がいい」と応援に参戦。「W杯はクール!」と、すっかりサッカーのとりこになった。

 ただ、まだ詳しくはない。着ていたユニホームの背番号は「3」。DF昌子源(鹿島アントラーズ)のユニホームだ。しかし、昌子のことを聞かれると、「う~ん」と数秒うなり、「それ、誰?」。実は、背中の3番の上には、「SHOJI」ではなく「NAOMI」と、自分の名前が入っていた。

 2週前のバーミンガム大会2回戦で、腹筋を痛め途中棄権した。茂木奈津子専属トレーナーによると「軽い筋肉痛。大事ではなかった」。けがについて会見で聞かれた大坂は笑顔で「あ、痛い」と、腹筋を触りながら日本語でわざと痛がるそぶりを見せる余裕。「もう大丈夫」と、ご機嫌だった。

 ◆ウィンブルドンの大坂 15年に初挑戦。予選に出場し、予選1回戦で敗れた。16年は、腹筋を痛めていたため欠場。本戦には、17年に初めて出場し、いきなり3回戦、32強入りを果たした。この3回戦進出で、大坂はすべての4大大会で32強以上の成績を残したことになる。

 ◆WOWOW放送予定 5日午後7時25分から。6日午前0時から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス2回戦ほか。生放送。