04年アテネ五輪体操男子団体金メダリストの、水鳥寿思日本協会男子強化本部長(38)が26日、川崎市内で自ら監修した体育館のオープニングセレモニーに参加した。

水鳥氏が「選手を引退する時からずっと」夢見ていたという、開かれた体操施設がようやく完成した。内村航平、白井健三ら、日本の代表には実家が体操クラブで幼少期から親に指導を受けてきたという選手が少なくない。水鳥氏もそうだった。「幼いころにこういう遊び場があって、そこで体を動かすことを自分は学んだ。そういった環境を提供してあげたい」。限られた少数精鋭の選手だけではなく、環境を整え、競技の裾野を広げていくことが今後の長期的な強化につながるとの思いがある。

同体育館は跳躍や回転の基礎を練習する18メートルのタンブリングトランポリンを中心に、男女ほとんどの器具がそろい、子どもからシニアクラスまでが安全に練習できる施設となっている。ここを拠点とする「水鳥スポーツクラブ」は子ども向けのプログラムが中心だが、ゆくゆくは年配の方向けの体操教室も考えているという。

水鳥氏は「夢がかなったわけではなく、ここからがスタート」と、オリンピアンの育成や体操の価値向上など将来の目標も熱く語った。