初代王者の日本が2連覇を果たした。決勝では強豪のフランスに4-1で快勝。全19チームがトーナメント方式で争った中、柔道発祥国の面目を保った。前日までの男女計7階級制覇の個人戦に加え、今大会は昨年と同じく金メダル8個の活躍だった。来年の世界選手権は9年ぶりの東京開催で、日本武道館(8月25日~9月1日)で行われる。

日本柔道が意地を見せた。初戦の2回戦でモンゴルに4-0で快勝し、その勢いで開催国のアゼルバイジャン、韓国と北朝鮮の南北合同チーム「コリア」に連勝した。柔道大国のフランスとの決勝は、畳そばのコーチ席で井上、増地の男女両監督が激励の声を上げた。選手もその期待に応え、最後は団体戦男子90キロ級の向翔一郎(22=ALSOK)が2分過ぎに裏投げで勝負を決めた。「ここで負けたら日本に帰れないと思った。無事に帰国できる。個人戦には出場できなかったけど、団体戦の優勝も最高」と喜びに浸った。

混合団体は「男女の一体感」が重要となる。日本柔道は日々、男女別で稽古を行うため男女のコミュニケーションが少ない。昨年は対策として大会前に男女合同ミーティングを開催。全員で目標達成を目指す「チームビルディング」の講習を受けた。

しかし、今年は男女の合宿日程の都合上、実施できなかった。そのため、今大会は出場全22選手に渡された「モチベーションビデオ」で団結力を高めた。日本スポーツ振興センターの柔道担当者が個別で準備し、追い込み合宿の時の模様などを約3分の映像に編集した。日本チームとしての責任や覚悟が伝わる内容で選手のやる気をかき立てた。女子78キロ超級覇者の朝比奈沙羅(21=パーク24)は「全員がチームを世界一にするという強い責任感があった」と話した。

2年後の本番に向けて、発祥国の誇りと層の厚さを示し、再び、世界の頂点に立った。【峯岸佑樹】

◆柔道男女混合団体 チーム構成は男女3人ずつの計6人。男子は73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子は57キロ以下、70キロ以下、70キロ超。同じ階級の選手同士が対戦し、決着がつかない場合はゴールデンスコア(GS)方式の延長戦。引き分けはない。チームの勝敗が並んだ場合は無作為に選ばれた階級の選手同士が代表戦を行う。試合時間は4分。