男子100キロ級で17年世界王者のウルフ・アロン(22=了徳寺学園職)がGS初優勝を果たした。決勝では小外掛けで技ありを取っていた残り11秒、大内刈りを繰り出し合わせ技で一本勝ちした。同90キロ級では向翔一郎(ALSOK)が優勝し、リオデジャネイロ・オリンピック王者ベイカー茉秋(日本中央競馬会)は3回戦敗退。100キロ超級では原沢久喜、小川雄勢(明大)がともに2回戦で敗れた。女子78キロ級はアジア女王の佐藤瑠香(コマツ)が制し、同78キロ超級は準決勝で素根輝(南筑高)が世界女王の朝比奈沙羅(パーク24)を破り、準優勝。この日は19年世界選手権(東京)出場内定者は出なかった。

激戦階級を勝ち抜いたウルフは、優勝を決めるとスタンドの両親に向けて人さし指を立てた。1月に手術した左膝の調子が良くなり、片脚で立ったままでも怖さはなくなったという。短期間で一気に減量する方法に変え、直前まで体重が重い状態を維持したことも腰の重さにつながった。昨年の世界王者が出直しの一戦で実力を証明し、「この結果は1つのアピールになる。2020年まで時間はないので、しっかり大事にしたい」と引き締めた。