日本スケートボード協会(AJSA)の国内プロツアー今季最終戦「ムラサキプロ」が2日、東京・足立区のムラサキパーク東京で行われ、池田大亮(18=クリスタルガイザー・ムラサキスポーツ)が優勝した。

予選2位の池田は、決勝で高難度のトリックを次々とメーク。今季4戦中3戦を制し、2年ぶりのグランドチャンピオンに輝いた。2位は予選トップの白井空良(16)、3位は青木勇貴斗(15)。年間ランクは2位が青木で、3位には山下京之助(14)が入った。

池田は11月に今季最大の目標としていたタンパ・アマで優勝。世界最高峰のプロツアー、ストリートリーグ(SLS)挑戦権を手にした。その勢いにも乗って、国内無敵を証明。「タンパで勝って、日本で負けられなかった。予選2位になって焦ったし、緊張しました」と話し「決勝は考えたラインができた。すごい、うれしいです」と笑顔をみせた。

東京オリンピック(五輪)が決まる以前から、SLSは最大の目標だった。「もともと狙っていた。すごい人たちがいる、世界で一番すごい大会」と参戦を楽しみにする。本来なら来季からの参戦になるが、来年1月に第1回世界選手権を兼ねてリオデジャネイロで行われる今季最終戦に招待される可能性もあり「出られたら決勝に残って、全戦に出場できる資格をとりたい」と話した。

東京五輪出場枠は、統括団体のワールドスケートが設ける「五輪ポイント」で決まる。高得点が付与されるSLSへの出場は五輪への近道になる。SLS参戦2年目の今季2戦2勝して世界のトップを走る堀米雄斗(19)に続いてSLSメンバーになれば、五輪出場は確実。「東京五輪は出たい。でも、まずSLSで頑張りたい」と池田。SLSの成績が、そのまま東京五輪のメダルにつながる。

この日、コンテスト中に選手が転倒した。ヘルメットとボードがコース内に散らかると、選手控えにいた池田は脇にあったボードに乗り、真っ先に駆けつけて片付けた。「ダイスケ、ありがとう」というDJの声に照れた池田。強く、優しい、笑顔のスケーターが東京五輪に大きな1歩を踏み出した。