女子テニスの大坂なおみ(21=日清食品)が全豪オープンのシングルスで優勝し、世界ランキング1位になったことから、出身地の大阪では“なおみフィーバー”に包まれている。

大坂の生まれ故郷は大阪市。3歳で渡米するまで同市西区のITC靱(うつぼ)テニスセンターでコートを借り、父フランソワさんの指導を受け、姉まりさん(22)らと一緒に練習に励んでいた。

“原点”でもある同施設では、26日の決勝でパブリックビューイングを開催した。そこで開講しているテニススクールの子どもたちが集まり、優勝が決まった時には多くの歓声が響き渡ったという。翌27日には「優勝の時は思わず万歳しました」と喜ぶ職員たちによる、快挙を祝うくす玉と活躍が載った新聞を飾った特設ボードが設置された。「お客さんたちが『優勝したね』と、このボードを見て再度話題にして盛り上がっています」と職員も笑顔だ。

大坂が昨年9月の全米オープンを制した際、同施設には子どもにテニスを習わしたい親からの問い合わせが増えていた。職員によると今回も同様に見学や受講申し込みが増加しているというが「特に、靭の存在を知らなかった人が大坂さんの活躍で知ってくださって、問い合わせされる方も増えている」と言い「そういう人からテニスに興味を持ってもらえるいい機会です」とうれしい悲鳴を上げている。

今年3月までの開講期間でスクール生を募集しているが「3月までの短期間でもいいから入りたい」と、幼少時代の大坂がラケットを振った地でプレーをしたい人もいるという。国内唯一のグレードA大会(国際テニス連盟公認のトーナメント)の世界スーパージュニア選手権大会も行われる西日本の聖地。なおみフィーバーをきっかけに、ここで競技を始めた子どもたちが新たなスターになる日が来るかもしれない。