アルビレックスチアリーダーズのメンバー、飛田野芽生(20)が米プロフットボールNFLダラス・カウボーイズの専属チアリーダーオーディション(5月18~6月1日、米テキサス州ダラス)に挑戦する。5歳からアルビレックスチアリーダーズのスクールで活動するなどパフォーマンスは体に染み込んでいる。合格すればアルビからは4人目のNFLチアリーダー誕生。競争に勝ち抜く自信はある。不安はない。あるのは自信だけ。「今すぐオーディションが始まってほしいくらい」。チアリーダーの最高峰に挑む飛田野は堂々と本場米国に乗り込む。

現在所属しているアルビレックスチアリーダーズの活動は3月27日のB1第30節新潟-川崎戦(アオーレ長岡)まで。4月1日にダラスに向けて出発。その後は現地でオーディション受験生対象の講習に参加するほか、スクールに通いレッスンに集中する。1次予選は5月18日でステップを上り続ければ、6月1日にファイナルを迎える。この時に備え、1年前から英会話教室にも通っていた。「言葉の方はなんとかなるでしょう」と笑う。

カウボーイズのチアリーダーは本場でも人気が高い。毎年世界各国から800人以上がオーディションを受ける。倍率は20倍以上。「子どものころから憧れていたチーム」。受けるのはカウボーイズ1本。難関は承知の上だ。5歳からアルビチアスクールに通った。当時アルビチアのディレクターを務めていた三田ジョンストン智子氏(現アルビチアチーフディレクター)にかわいがられた。その三田氏がアジア人初のNFLチアリーダーとして活動したのがカウボーイズ(98、00年)だった。

恩師と同じチームしか選択肢は考えられなかった。昨年10月、三田氏とダラスを訪れた。飛田野の思いを知る三田氏の計らいだった。本拠地AT&Tスタジアムを見学し、観客席からフィールドを目にした。「絶対にあそこに立つ」。踊る自分を想像した。

筋金入りのパフォーマーだ。アルビチアスクールの後、白山小3年からアルビレックスジュニアチアリーダーズに所属した。新潟清心高では創作ダンス部で全国大会に出場。小学生のころからネットで米国のチアリーダーの動画を見て、自身のパフォーマンスの参考にもした。本場のチアになるという夢は、到達すべき目標になっていった。

アルビチアのメンバーからも激励された。現在メンバーは7人。飛田野が抜ければチームパフォーマンスに影響もある。それでも快く送り出してくれる。「みんなのためにも合格したい」。期待を力に変えてチャレンジする。【斎藤慎一郎】

 

◆飛田野芽生(ひだの・めい)1999年(平11)2月15日生まれ、新潟市出身。白山小3年からアルビレックスジュニアチアリーダーズに所属。白新中から新潟清心高に進み、ダンス部で活動。1、3年の時に全日本高校・大学ダンスフェスティバルに出場した。17年7月からアルビレックスチアリーダーズに所属。162センチ。

◆アルビレックスチアリーダーズ出身のNFLチアリーダー 03年に柳下容子がチャージャーズに合格。その後は08年の小野綾子(パンサーズ=NHL、ジャガーズ)、12年の安藤美和(バッカニアーズ)が続き、現在まで3人が活動した。NFL在籍経験を持ち、その後にアルビチア入りしたメンバーは03年加入の石田季子(49ers)がいる。