正念場の戦いが始まる。バスケットボールBリーグは3週間の中断期間を終え、3月2日に再開する。東地区最下位、リーグ18チーム中17位に低迷するレバンガ北海道は、敵地で琉球ゴールデンキングスと対戦する。今季は40試合で10勝30敗。残り20試合で、リーグ15位以下の4チームがまわるB1残留プレーオフ回避が現実的な目標となる。緊急連載「B1残留へ ラスト20戦での巻き返し」で3回に渡り、今季のチームの現状を分析し、巻き返しへの打開策を探る。

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B1残留のキーマンは、主将で司令塔の多嶋朝飛(30)だ。内海知秀監督(60)からも「チームを引っ張って欲しい」と言われている。今季はチーム日本人トップの286得点を挙げているが、安定感に欠ける面もあった。Bリーグ発足以来3季連続の主将は「自分たちが崩れてしまって終わる試合が多いシーズンになっている」と、責任を一身に背負う。

今季、試合前半に先行していた12試合は6勝6敗。残る28試合は4勝24敗で、後半に失速する試合が続いている。「思い切りの良さは去年よりなくなっている感じはする」と分析。水野宏太元監督(36=現アルバルク東京トップアシスタントコーチ)の3季目だった昨季は戦術が浸透しており、無意識に連動性のあるプレーができていた。

今季はジョゼ・ネト前監督(47)で始まり、シーズン途中で監督が交代。昨季アドバイザリーコーチだった内海監督について、多嶋は「選手のことを理解してくれている」という。それだけに、新指揮官が求めるバスケットを司令塔としてコート上で体現したい思いがある。

中断明けの試合に向けては「戦術がこう、動きがこうとかは関係ない。(ベンチ入り)12人みんなが全部を出す」と総力戦を強調。その上で「(自分は)意識的に攻撃的にいくようにしたい。相手の脅威になるポジションを増やし、的を絞りづらくする。それが周りのプレーヤーの手助けにもなる」と中核を担う自覚を持つ。

チームは敵地琉球ゴールデンキングス2連戦前の28日、札幌市内で練習を公開。内海監督の指示が飛び交う中で最終調整をした。「(リーグ中断期間は)自分たちがやってきたことの復習、質を高めてきた。準備をしてきたことをコート上で選手5人が出し切るだけ。とにかくもう、やるしかない」と多嶋。残る20戦。どん欲に勝利を求めていく。【浅水友輝】(おわり)

◆B1残留への道 過去2シーズンも18チームの下位4チーム(15~18位)がB1残留プレーオフにまわる方式だった。16-17年シーズンは14位滋賀21勝39敗、15位富山18勝42敗。17-18年シーズンは13~15位が24勝36敗で並び、当該クラブ間成績で13位大阪、14位滋賀、15位富山となった。現在10勝のレバンガは残り20試合で勝率5割以上が求められる。