レスリング界初となる女子重量級の国際合同合宿が日本主導で開催されることになった。5月上旬にフィンランドで10カ国以上を集め、68キロ級以上の選手が一堂に会する。発案は重量級の強化を図る日本協会で、国際レスリング殿堂入りの女子の草分け的存在、吉村祥子コーチ(50)が世界の強豪国に声をかけ、実現される。「おそらく世界で初の試み。日本のトップ選手を連れて行き、強化を図りたい」と述べた。

日本の重量級のけん引役は、04年アテネ、08年北京五輪で当時最重量級だった72キロ級で銅メダルを獲得した浜口京子だった。第一人者の試合出場が遠ざかると、16年リオ五輪では69キロ級の土性沙羅が金メダルも、75キロ級に出場した渡利璃穏は2回戦敗退。世界選手権では76キロ級で皆川博恵が17、18年銅メダルと気を吐くが、層は厚くはない。女子は体格的に重量級が少なく豊富な練習相手を求め、北欧の地で合宿を組んだ。吉村氏は11日までに「実は相手がいないのは各国共通の悩み。良い機会になれば」と期待した。今回は5人を派遣する見込みで、東京五輪での活躍につなげる。