世界74位の西岡良仁(23=ミキハウス)が腰の痛みで途中棄権した。同130位で、16年ジュニア世界王者、19歳のミオミル・ケツマノビッチ(セルビア)に4-6で第1セットを落とし、第2セットに1ポイントをプレーした後に棄権した。

西岡が悔しさで泣いていた。自身初のマスターズ大会8強入りを前にして、決して勝てない相手ではない。なのに、どうしてこの日に、という思いが強かったのだろう。第1セット序盤から腰に痛みを抱えトレーナーを呼んだ。プレーを続けたが、第1セット終了時には中腰になったままコートで動けなかった。

ドクターから痛み止めの薬をもらい、第2セットに挑んだが1ポイントをプレーしただけで、苦渋の棄権だ。相手とは拠点とするフロリダのIMGアカデミーでともに練習する仲。ケツマノビッチにも西岡の悔しさが伝わったのだろう。握手の際には、しっかりと抱きしめた。

身長170センチ、体重64キロは、現在の世界100位以内で、同26位のシュウォーツマン(アルゼンチン)と並んで最短身、最軽量だ。小柄だといわれる錦織よりも8センチも背が低い。今年の開幕時に、西岡は冗談交じりに「僕らがどれだけ大変か。体重別にしてほしい」と苦笑いで話していた。

3回戦のオジェアリアシムとの試合で3時間近い激闘を制した。勝ったが、その影響が体に出たのだろう。腰の痛みの影響で、サーブで体をひねることができず。ほとんど腕だけで打つことになり、速度も時速140キロほどしか出なかった。

それでも、今大会の結果で、最新世界ランキングでは65位前後に上昇する見込み。自己最高の58位突破も十分に見えてきた。