団体球技リーグの組織で構成された、一般社団法人日本トップリーグ連携機構の総会が26日、東京・文京区のJFAハウスで開かれ、川淵三郎会長(82)が半年後に迫ったラグビーワールドカップ(W杯)、1年半後に迫った東京オリンピック(五輪)について危機感をあらわにした。川淵氏は「これまでの延長戦でいいという考えではいけない。技術は簡単に伸びるわけではない。選手の精神力や意欲など変えていく監督の熱意が大事」と熱く語った。

川淵氏は、68年メキシコ大会以来28年間出場できなかったサッカー五輪代表の監督に「日本の指導者ではダメだ」とオフト氏を招き、半年でアジアを制覇。その時に監督の誠実さが躍進を招いたという経験をもとに指導者のあり方を熱弁した。

かねて各競技団体の人材不足を訴えてきた川淵氏。スポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)にも人材を集めるための強化資金を要求している。「過去の経験者だけを集めればいいというわけではない。ビジネスなどいろんな知識を学んだ優秀な人材を集めなければいけない」と警鐘を鳴らした。

また会議に参加した森喜朗名誉会長(81)は東京五輪について「マラソンで言うと40キロを超えてスタジアムが見えてきたなという感じ」と前向きな発言をした上で「最近は野球やサッカーの子どもたちの人口が減っている。ラグビーもタグラグビーなど関心を持ってくれているが、指導者を他の競技に取られている」とこちらも指導者欠如の問題に危機感を示した。