秋田ノーザンハピネッツが73-44で北海道を下し、初のB1残留を決めた。第1クオーター(Q)序盤にリードを許すも、成田正弘(25)、谷口大智(28)らの3点シュート(3P)で勢いに乗ると、第2Q以降はリードを許さず、B1ではチーム最少失点でホーム最終戦を勝利で飾った。

また、B2からの昇格シーズンに残留を決めたのは秋田が初。19日からの最終節は2位栃木と対戦。チーム創設10年目の節目となる来季に向け、喜びに浸らず最後まで勝利を求める。

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苦しんだシーズンの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような圧勝劇だった。最少44失点とともに、29得点差も過去3度あった24点差を塗り替えるクラブ記録。今季4度目の4000人を超える熱きブースターの前で、秋田が自らの手でB1残留を確定させた。昇格初年度に残留を決めたのは、リーグ3年目で初。辛口のジョゼップ・クラロス(ペップ)HC(50)も「苦しいシーズンだったが、昨日、今日と勝たなければいけない試合で選手は頑張った」と土壇場の踏ん張りをたたえた。そして「シーズン通じて責任を持ってプレーしなければいけないと言い続けてきたが、今日は40分間できた」と満足げだった。

誕生日コンビが流れを変えた。開始早々、2-9とされたが、ジャスティン・キーナン(30)の2P直後に、前日13日に25歳になった成田が3Pを決め反撃ムード。そして今日15日に29回目の誕生日を迎える谷口主将が、出場直後に3Pを決めて12-11と逆転に成功した。1点リードの第1Q終了間際にも3Pを決め、「昨日もみんな緊張していたので、今日も僕が決めることで乗ってくれたらと思っていた」と満足げ。第2Q終了間際にはブザービーターの2Pを決めた成田も「いい誕生日になりました」と笑顔を見せた。

強豪ひしめく東地区で11連敗を含む17勝41敗と苦しんだ。千葉、A東京には6戦全敗、最終節でぶつかる栃木にも未勝利と上位陣との厚い壁を思い知らされてきた。ペップHCが掲げるアグレッシブなディフェンスで前半こそ接戦を演じても、終盤にミスと反則につけ込まれるパターンが続いた。それでも新潟、三河、名古屋Dなど他地区の強豪からは勝利をものにした。ペップHCは「他の地区にいたら上位にいけたかもしれない」と手応えを感じたのも事実だ。谷口主将は「1部で戦えることは誇り。今はホッとしているが、緩みすぎてグダグダにならないよう、あと2試合しっかり戦いたい」と早くも来季を見据え、気持ちを切り替えていた。【野上伸悟】