前回準優勝で世界6位の錦織圭(29=日清食品)が、今季のクレー初戦でまさかの敗退だ。同49位のエルベール(フランス)に5-7、4-6のストレートで敗れ、3月のマイアミオープンに続き、マスターズ2大会連続で初戦で敗れた。次戦は、22日開幕のバルセロナオープンの予定だ。

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錦織が、突然の失速にあえいでいる。昨年、準優勝し、右手首のケガからトップ10復帰への足がかりとした大会で、悪夢が待っていた。ことごとくチャンスを逃し、いきなりの初戦敗退。2月からのマスターズ大会3大会で、1勝3敗のスランプだ。

自信を喪失しているのかもしれない。両セットの相手のサービスゲームで、10度のブレークポイントを握った。その内、相手から0-40が2度あった。しかし、そのすべてを奪えず。逆に、相手にたった3度与えたブレークポイントの内、2度を奪われた。

自信がないためか、どうしてもミスを待つ安全策が目立つ。自分から勝負をかけ、リスクを取る勇気がなく、たまにリスクを取ればミスが出る。悪循環で、セットの後半までもつれると、我慢ができずに力尽きる展開だ。

今年の滑り出しは、ブリスベン国際で約3年ぶり12度目のツアー優勝を遂げ、全豪でも8強入り。昨年9月の全米から続けてきた出場全大会8強以上の勢いで好調なスタートだった。しかし、2月のドバイ選手権で2回戦で敗れると、一気に失速した。5月26日にクレーの最高峰、全仏(パリ)が開幕する。すべてのコートで自身最高の勝率を誇るクレーシーズンで、再び上昇気流に乗りたい。