秋田ノーザンハピネッツ(東地区5位)が栃木ブレックス(同2位)に72-80で敗れた。前節の北海道戦でB1残留を決めて迎えた最終節。ここまで東地区優勝を決めている千葉と3位A東京にはともに6戦全敗で、2位栃木にも4連敗中とあって、3強に一矢報いるべく、最後まで集中力を切らさなかった。

北海道戦後に、秋田ペップHCは「この数カ月間、私も選手もスタッフもぐっすり眠れない日が続いていたと思う。肩の荷が下りたと思うのでリラックスしてほしい」と話していた通り、残留争いのプレッシャーから解放された選手たちは伸び伸びと躍動した。第1クオーター(Q)から持ち前の激しい守備からリズムをつくり、小気味のいいパスワークで主導権を握った。途中出場の谷口が連続3ポイントを決めるなど16-10で第2Qへ。一時は逆転を許したが、野本のシュートで再逆転すると中山、谷口が立て続けに決めて再び盛り返した。第4Qでも一時再逆転し64-61としたが、比江島、竹内ら日本代表に加え、田臥も控える栃木の層の厚さの前に、最後は屈してしまった。

試合後は相手ブースターからも秋田へ、温かい拍手が湧き起こった。前節後に中山拓哉(24)は「来季は下(残留プレーオフ)ではなく、上(チャンピオンシップ)を目指さないと」と浮かれることなく言い切った。その言葉通り、来季に期待を抱かせる試合だった。今日の最終戦こそ、3強から勝利を奪ってみせる。【野上伸悟】