【ブダペスト=三須一紀】日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長が27日、世界選手権で全日程を終えた日本男子を総括した。

シングルスは丹羽孝希(24=スヴェンソン)の8強が最高で、世界ランク4位の張本智和(15=木下グループ)は4回戦で同157位の格下選手に敗退した。その要因や、来年の東京オリンピック(五輪)を見据えたダブルス編成など見解を示した。

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準決勝まで強豪中国と当たらない組み合わせで男子シングルス40年ぶりのメダルが期待された張本だが、格下に敗退。宮崎氏は「張本は飛び級で大きな大会に出ている半面、同年代や格下に向かっていくメンタルが弱いことが分かった」と語った。今後、張本のような飛び級選手が出てきた場合、格下にも向かっていける精神をつくるため、同年代の大会にも出すことを協会として検討するという。

男子の倉嶋監督は「チキータだけでなく中国の馬竜のように多くの攻撃パターンを身に付ける必要がある」と今後の強化方針を示した。張本は帰国翌日の5月1日~7日まで、右手薬指のケガを治すために休養を取る。

宮崎氏は8強の丹羽について「低身長、パワーもない日本選手は独創的なプレーが必要。丹羽はそのお手本」と高く評価した。「日常の練習から、そのプレーを増やした方が良い」と付け加えた。

東京五輪へ向けたダブルスのペアリングも本格化する。5月末の中国オープンでは丹羽、水谷が男子ダブルスにエントリー。左利き同士は難しいとされるが「五輪へ向けて世界ランクが日本人で2番目、3番目の2人なので、試す必要性がある」と話した。

混合ダブルスでは、吉村・石川組が銀メダルを獲得したが、吉村は同ランク33位で日本人6番目。来年1月のランク上位2人が五輪シングルス代表に、団体戦代表の3人目を強化本部推薦で決める。五輪新種目の混合についても3人に入らなければ出場できない。吉村については「当然3番目が優先される。3番目の選手がダブルス不向きなら4番目。6番目では難しい」と一定の目安を示した。