プロボクシング世界4団体のミニマム級で王座を獲得し、アマチュアに転向して20年東京五輪出場を目指す高山勝成(36=名古屋産大)が23日、国際オリンピック委員会(IOC)理事会で示された同五輪での競技実施の方針を歓迎した。

起床後すぐに情報をチェックしたといい、大阪市北区にある練習拠点で「世界各国のボクサーが待ち望んでいたこと。決断していただいたことに、すごく感謝している」と喜んだ。

自らのアマチュア初戦は国体と全日本選手権の愛知県選考会(7月6日開幕、名古屋)を予定。現在の状態について中出博啓トレーナーは「(プロボクシングなら)世界タイトルマッチを戦える前段階ぐらいにある」と評し、高山も「試合は全て優勝したい」と本格的なトレーニングを積みながら仕上げていく。

陣営は日本ボクシング連盟も懸念する審判問題についても言及した。IOCは16年リオデジャネイロ五輪での不正審判疑惑など、組織のガバナンス欠如を問題視した国際協会(AIBA)に最終的に資格停止処分を下した。東京五輪で運営を担うのは、IOC委員で国際体操連盟(FIG)会長の渡辺守成氏が座長を務める特別作業部会になる。

そのため審判も誰が試合を裁くのか、先行きは不透明。高山と中出トレーナーがプライベートで視察した4月のアジア選手権(バンコク)では「関係者が『ここの国のジャッジがいると、ここの国は勝てない』と言っていて、その通りに明らかに負けている選手が勝っている試合があった。AIBAが組織運営から外れることで、正常な方向に向かってもらえれば」(中出トレーナー)とクリーンな競技運営に期待を込めた。

五輪で実施される階級や代表選考の詳細など、不透明なことも多く、高山は「みんなが思いっきり戦える」環境作りを望んでいる。その上であらためて「東京五輪で金メダルを獲得したい」と目標を掲げた。