【光州=益田一弘】大橋悠依(23=イトマン東進)が、2大会連続のメダルを獲得した。400メートル決勝は4分32秒33で銅メダル。前回大会の200メートル銀メダルに続く表彰台となった。今大会は22日の200メートル決勝では平泳ぎの泳法違反によって失格。失意から中5日で迎えた本命種目で立て直した。そんな娘の奮闘に大橋の父忍さんが手記をしたためた。

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悠依、おめでとう。前回大会で銀メダルをとってから、この2年で人間的にも成長したと思う。4月の日本選手権後に、外で待っている子供たちがいた。ちゃんと全員にサインをしていた。今までだったら「自分のことかな?」という感じだった。昨春から社会人スイマーになって自覚が出てきたのかな。初任給では私にカードケース、妻にはバッグをプレゼントしてくれた。「いつもありがとう」というメッセージも添えられた。

大学2年の15年、日本選手権はよく覚えている。貧血で苦しんでいたことを知らなかった。滋賀から車で東京にいったけど、レース前日に「車に乗っていっていい?」と連絡が来て。いつも大学のチームで行動するのに変だなと。会場で待っていると1人で真っ白な顔で歩いてきた。いつも仲間と3人で来るのに。1年前に決勝にいったから今年もと思って、東洋大の応援席で見ていた。隣は萩野(公介)さんの家で。そしてあの結果(予選最下位)。LINEでひと言だけ「おとん、おかん、ごめん」と。あの時は気づいてやれず、すまなかった。

小3で選手コースに上がった時「しんどいけど、やめへん」といったのを覚えている。日本代表になるだけでもすごいこと。納得いくようにやってくれれば、私たちはそれだけでうれしい。(大橋忍)