競泳日本代表のメダル量産計画の一端が7月31日、明らかになった。同28日までの世界選手権韓国大会では金2個を含むメダル6個を獲得。

さらなる強化を進めるために、今冬には長野・東御(とうみ)市内の国内初の高地トレーニング用特設プール(標高約1750メートル)でナショナルチーム(NT)合宿を予定。日本水連の坂元専務理事は「すでに東御市での代表合宿用に、予算も確保しています」と明かした。10月20日に完成式を迎える同プールで、12月にNT合宿を行うプランだ。

東京五輪へ「地の利」を生かす。競泳では代表選考会や世界大会前の海外高地合宿が行うことが多い。酸素が薄い高地で心肺機能や持久力を強化させる。その状態で平地に移動して試合を行うと成績が向上。日本競泳界はスペイン・シエラネバダ(標高約2300メートル)米フラッグスタッフ(同2100メートル)などで長期合宿を行うことが一般的だ。

ただ、大会直前の移動に長距離移動の疲労や時差ぼけのリスクがある。一方であまりにも早く合宿を打ち上げると、高地合宿の効果が薄れる。

東御市の湯ノ丸高原にある「高地プール」は準高地にあたる。海外→東御市→東京とステップを踏めば、高地の効果を持続して体調を整えられる。しかも東御市は東京まで新幹線などわずか2時間半で移動できるメリットがある。

今冬のNT合宿で効果が見込めれば、来年4月の日本選手権や東京五輪前に「東御市」という選択肢が生まれる。東京五輪で鍵とされる「地の利」。競技団体によっては、まだまだ明確でない場合もあるが、競泳界には確かなホームアドバンテージがある。