日本スケートボードのエース、堀米雄斗(20=XFLAG)が悲願のXゲーム初優勝を果たした。

予選を5位で通過した堀米は、ラン3本の最高点で争う決勝の2本目に89・00点をマーク。同大会で過去7回優勝の王者ナイジャ・ヒューストン(24=米国)に競り勝ち、日本勢として同種目を初制覇した。3位には初出場の白井空良(17)。BMXフリースタイル・パークの中村輪夢(17)は2位で同種目日本勢初、史上最年少で表彰台に立った。

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わずか5日前、同じ米国のロサンゼルスで世界最高峰のプロツアー、ストリートリーグ(SLS)第2戦を制した堀米が東へ2500キロ、今度はミネアポリスで偉業を達成した。エクストリームスポーツ最大の祭典、Xゲームで初優勝。昨年4位で表彰台を逃した20歳が、王者ヒューストンを従えてセンターに立ち、3位の白井と笑顔をみせた。

SLSを制した時に初めて成功させた大技「ノーリーバックサイド270ノーズスライド」を完璧に決めてみせた。ノーミスでトリックを次々と繰り出して、89・00の高得点を出した。このまま逃げ切って初優勝を決めると、ツイッターに「毎年悔しい思いしてきたけど今回優勝できてうれしいです!」と記した。

オリンピック(五輪)予選対象となったSLSと違って、Xゲームは五輪には関係ない。それでも、スケーターにとっては五輪と同じ、いや五輪以上の大会。世界のトップと滑るのは「楽しいし、刺激になる」と話していた。

5月には自身の名を冠したデッキ(板)「堀米モデル」が発売された。これまでもプロとして活動してきたが「夢だった自分のデッキを出して、プロになれた」と堀米。プロとしての自身があったから、結果が出ないシーズン序盤にも「自分の滑りをすれば、結果はついてくる」と言えた。

東京五輪での採用が決まった3年前「東京五輪は出られたらいい。夢はSLSとXゲームで勝つこと」と話した。その2つを20歳で実現。残るは「東京五輪での金メダル」だけだ。「自分の滑りで東京が盛り上がったらうれしい」と話す堀米が、1年後の東京五輪に向けて勢いを増した。

◆Xゲーム(X Games) 米ケーブルテレビ局のESPNによって1995年にスタートした賞金大会。夏季大会はスケートボード、BMX、フリースタイルモトクロス、冬季大会はスノーボード、スノーモービル、スキーなどが行われる。基本的に出場は招待制。過激な(エクストリーム)スポーツの選手にとって、招待されることが目標になる。スケートボードでは16年にパーク女子の中村貴咲。17年にストリート女子の西村碧莉らが優勝している。