世界ランキング48位の日本は同5位のアルゼンチンに93-108で敗れた。格上を相手に金星はならなかったが、第3クオーター(Q)に一時、リードを奪うなど健闘した。

31日開幕のW杯(中国)に向けた、男子日本代表の強化試合。日本のスタメンは篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)、八村塁(ウィザーズ)、渡辺雄太(グリズリーズ)、馬場雄大(アルバルク東京)、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)だった。会場には1万6211人の観客が詰め掛けた。

第1Qでは、いきなり八村が会場を沸かせた。開始11秒。ゴール下で丁寧にボールを流し込み、この試合の初の得点を決めた。その後、八村はリバウンドで相手ボールを奪取。攻撃に転じ、ファージーカスからパスを受けると、ダンクで連続得点を決めた。格上と戦う上で絶対に必要な勢いを日本にもたらした。しかし、終盤にアルゼンチンに3連続で3点シュートを決められるなど日本は23-30の7点のリードを許した。

第2Qの序盤。日本は完全に流れを失いかけた。一時は30-45と15点を追い掛ける形となった。しかし、八村が再びコートに投入されると、日本の怒濤の追い上げが始まった。八村はパスカットから豪快なダンクも披露した。ついに残り1分では49-51の2点差に。たまらずアルゼンチンはタイムアウトを選択した。結局、53-56でハーフタイムに突入した。

第3Q。勢いに乗る日本はついにリードを奪った。1分50秒。渡辺がゴール正面から2点シュートを決め、59-58とした。その後、追う展開となるも、4分49秒、渡辺が放った3点シュートは鮮やかにネットを揺らした。これで66-65と再逆転。ホームの大声援の後押しを受け、一進一退の攻防が続いた。しかし、終了間際に痛い3点シュートを決められた。77-83で第3Qを終えた。

第4Q。攻撃ではミスが続き、点差を縮められない。その中でも馬場が豪快なダンクを決め、会場を大歓声に包んだ。最初はベンチで戦況を見守っていた八村が、84-89の残り5分22秒からコートに戻ってきた。逆転の体勢を整えた。八村はゴール前の混戦でファウルをもらい、フリースローを獲得。1本目は外すも、2本目は確実に決めた。これで85-90とした。逆転の雰囲気が高まるも、その後に3点シュートを決められた。この失点が痛かった。最後まで追いつけず、点差を広げられ、93-108で敗れた。

▽両軍最多23得点の八村「チームの出だしはまあまあだったが、途中からアルゼンチンの強さが出てきた。(第2Qは)皆さんもダンクが見たいと思っていたので、そうやってできてよかった。負けたけど、いいものがもらえたし、守備でも引き締めていきたい」