【上海(中国)2日=松熊洋介】俺の武器はミドルだけじゃない! 1次リーグE組で黒星スタートとなった日本(世界ランキング48位)は、3日にチェコ(同24位)と第2戦を戦う。

エース八村は初戦で厳しいマークに遭い、シュートわずか10本で成功率30%、3点シュート成功0本と完全に封じられた。1次リーグ突破に望みをつなぐためにも負けられない一戦で敵の包囲網をくぐり抜け、3点シュートで日本を救う。

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初戦の悪夢は吹っ切れていた。チェコ戦前日の2日は試合会場で約1時間半練習。八村はコーチらと談笑するなど、発熱の影響は感じられなかった。確認するように30本以上3点シュートを放ち、高確率でリングに沈めた。「(トルコ戦は)得意なショットを打たせないようにさせられたが、かといってミドルしか打てないわけではない。他のところでも全然打てる」と言い放った。長身選手をそろえる相手にインサイド勝負ではなく、狙うは3点シュートだ。

同じやられ方はしない。初戦はチーム最多15得点を奪ったが、序盤から強力ディフェンスに手を焼き、得意のミドルレンジからのシュートを防がれた。「思い通りにさせてしまった。スマートにやらなければいけなかった」と反省。シュート10本打って成功はわずか3本。初ゴール(フリースロー除く)は開始から18分後で、3点シュートは最後まで1本も決められないという屈辱を味わった。

8月の国際試合に入ってから3点シュート成功率は向上している。昨年のW杯アジア2次予選では4試合に出場し7本中2本の成功だったが、国際試合に入り、11本中7本成功と精度を上げてきた。NBAドラフトでウィザーズ指名後に「中だけでなく外からもどんどん打っていきたい」と話していた。チェコ戦で高い成功率を残し、シューターとしての能力を証明する。

微熱があったとはいえ、納得するプレーができなかったもどかしさは本人が1番分かっている。7月の代表合流と同時に同行したウィザーズのアドキンス・コーチからチーム練習以外に個別指導を受けた。そんなコーチの思いに勝利で応えたい。「自分が世界でどういう選手か分かられてきていると思う。そんな中で日本のバスケをどこまでできるかが大事」。NBAは3点シュート全盛の時代。NBA選手として一流になるためにも、ロングレンジのシュートにこだわる。