御所実の高校日本代表候補FB石岡玲英(れい、3年)が、過去3度の準Vに泣いたチームを初の日本一へ導く。この日、奈良・御所市内の同校で行われた前日練習では戦術を確認。約2時間の調整で入念にキックを行い「ディフェンスで主導権をとって、楽に敵陣に入りたい」と試合運びへのこだわりを示した。

世代屈指の才能は異色の競技で養われた。奈良県出身ながら、4歳からアイスホッケーに熱中。大阪の「柏原オークスジュニア」では、小学生の時に府選抜で全国大会に出場した。中学時代は「(高校から本場の)北海道に行くことも考えた」と悩んだが、小5から両立したラグビーと比較して「こっちの方が人間性を学べる」。願書提出の直前に御所実へ進学を決めた。

「アイスホッケーも(人に)当たるスポーツ。強い気持ちで前に出られる」

準々決勝の東海大大阪仰星戦では、ホッケー仕込みの突破で貴重なトライ。高校入学後は「飛ばすだけでなく、いろいろな種類を学んだ」とキックの選択肢も増えた。4月の法大進学を前に「1つ1つ戦いながら、成長したい」。チームは今大会3戦3失点で、トライを与えない堅守が持ち味。総合力で勝負する大黒柱が、最後尾から仲間を支える。【松本航】