区切りのバースデーを自ら祝った。男子100メートル背泳ぎ決勝で、入江陵介(イトマン東進)が52秒59の好タイムで優勝。30歳を迎えた日に会心のパフォーマンスを示した。男子200メートル自由形決勝は松元克央(セントラルスポーツ)が制し、萩野公介(ブリヂストン)は10位と明暗を分けた。

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会心のレースを終えた入江の表情に充実感が漂った。前半50メートルを25秒70のトップで折り返し、後半も勢いを持続。昨年7月の世界選手権銀メダルに相当する52秒59の好タイムをたたき出し、「自信はあった。久しぶりにいい形でレースができた」とうなずいた。

昨夏の世界選手権で6位に敗れた後、練習環境をリセットした。拠点を米国から日本に戻し、1人で行っていた陸上でのトレーニングもトレーナーから助言を受ける形に変更。「左右に崩れていた」という体のバランスを整え直した。

この日で30代に突入したが、まだまだ若さがみなぎる。「北島さんも松田さんも、30歳を過ぎても第一線で活躍していた。気持ちだけは若手のつもりでやっていく」。自らが19歳のときにマークした52秒24の日本記録更新を「狙っていかないと(東京五輪で)メダルを取れない」ときっぱり。この日の泳ぎは「あくまで通過点」と捉えている。【奥岡幹浩】

○…萩野は本調子からほど遠い状態だった。200メートル自由形に出場し、予選全体9位で辛うじて決勝には進んだものの、最下位10位に終わった。今月の東京都新春大会を制した直後に体調を崩していたことを明かし、「1週間泳げなかったが、それも実力のうち」と唇をかんだ。個人メドレーにエントリーしている第2日以降の出場に関しては、「(平井)先生と相談して」と話した。