ラグビー日本代表としてW杯4大会連続出場を果たしたトンプソン・ルーク氏(39=現近鉄アドバイザー)が盟友をねぎらった。

18日、07年からのW杯3大会で共に戦った東芝ロック大野均(42)の現役引退が発表された。トンプソン氏はこの日、牧場を経営しているニュージーランド(NZ)から「均ちゃん、あなたは本当にレジェンドです。私たちは本当に長い時間、日本代表のロックとしてプレーしました。均ちゃんのプレーを誇りに思います」とコメントを寄せた。

2人は特別な関係だった。07年、11年とW杯では未勝利。世界トップクラスとの差を味わっていた時代も、黙々と体を張り続けた。

歴史的勝利を挙げた15年W杯イングランド大会の南アフリカ戦では、ロックで共に先発。日本のラグビー界が大きく変わった一戦でも、その献身的な姿は変わらなかった。

今年1月19日、トンプソン氏は東京・秩父宮ラグビー場で現役最終戦を迎えた。その場に駆けつけた私服姿の大野は、こう言った。

「お互いに刺激をしあっていた。いい人間と出会えたと思う。今日は最後までトモ(トンプソン氏)らしかった。一緒にプレーして、トップリーグ(TL)ではライバルとして戦って楽しかった。(TLでは)グラウンドで目が合ったら、ニヤッと笑っていた。第2の人生を応援しています」

今季のTLは新型コロナウイルスの影響により、第6節で打ち切りとなった。大野は今季の出場がなく、トンプソン氏は「このタイミングでの引退が本当に残念」。そう惜しみながらも、力強く呼びかけた。

「僕にとっていつもいいリーダーであり、いつもいい友達でした。これからも頑張ってくださいね。またニュージーランドに遊びにきてね! 本当にお疲れさまでした!」

代表キャップは2人合わせて169。名コンビによる偉業は、これからも色あせない。【松本航】