ラグビー・トップリーグ(TL)の神戸製鋼が、ニュージーランド(NZ)代表84キャップを誇るFBベン・スミス(34)、同50キャップのSOアーロン・クルーデン(31)を獲得することが30日、分かった。近日中に正式発表される見通し。21年1月開幕予定の来季へ大型補強に成功した。

19年日本大会を含めてW杯2大会連続出場を果たしたスミスは、フランスのポーから加入。万能BKとして知られ、代表引退となった昨秋W杯3位決定戦のウェールズ戦では2トライを挙げた。同W杯日本代表で神戸製鋼の山中は、18年夏のFB転向後にスミスの動画を見ながら動きを研究。世界中の選手が手本とするスーパースターだ。

スーパーラグビーのチーフス(NZ)で活躍したクルーデンは11年W杯で司令塔として、NZの6大会ぶり優勝に貢献した。2連覇を目指した15年イングランド大会は、左膝負傷の影響で落選。フランスでのプレー経験もあり、豊富な引き出しが武器となっている。

18-19年シーズンのTLを15季ぶりに制した神戸製鋼だが、2連覇を目指した今季は新型コロナウイルスの影響により、第6節で打ち切り。今年5月には元NZ代表コンビであるSOダン・カーター、SHエリスの退団が発表されていた。それでも2年契約2年目となるNZ代表ロックのレタリックなど、TL屈指となる超豪華メンバーで戦力が充実。世界レベルでの経験を積んだ2人の加入は、日本人選手への刺激にもなる。“TL2連覇”を目指し、西の名門の勢いはさらに増しそうだ。

◆来季への補強事情 TLの各チームでは世界的選手の大型補強が続いている。大阪が拠点のNTTドコモは19年W杯で大会6トライを挙げ、南アフリカの優勝に貢献したWTBマピンピを獲得。NTTコミュニケーションズには元スコットランド代表主将のSHレイドロー、サントリーにはNZ代表で世界最優秀選手に2度輝いたSOバレットが加入する。TLは22年1月開幕予定の新リーグへ、準備を進めている。その前年となる来季へ、各チームが戦力を整えている。