2度の4大大会優勝を誇る世界10位の大坂なおみ(22=日清食品)が、復帰初戦を215日ぶりの勝利で飾った。同26位のカロリナ・ムホバ(チェコ)に、冷静な試合運びで6-7、6-4、6-2の逆転勝ち。新型コロナウイルスの感染拡大で中断していた世界ツアーが再開後、初の試合で、1月22日の全豪2回戦以来の勝利となった。次戦では同25位のダヤナ・ヤストレムスカ(ウクライナ)と対戦する。両者は初対戦。
◇ ◇ ◇
最後は時速182キロ、この日12本目のエースをたたき込んだ。大坂は勝利の瞬間、「カモーン!」と声を絞り出し、緊張から解き放たれた。「最初は本当にナーバスだった。でも、復帰戦に絶対に負けたくなかった」。最後まで崩れないプレーで逆転した。
自分のミスに対し、1度も声を上げなかった。試合中に突然、泣く、叫ぶ、ラケットを投げるなど、感情の乱れは、これまでよく見られた。しかしこの日は、常に左手でガッツポーズを作り、自分を奮い立たせるが、あくまでも冷静で、集中は途切れなかった。
コロナ禍の中断期間中に「これ(冷静にプレーすること)をやりたい」と、ずっと考えていたという。そして「こんなに冷静にプレーできたのは久しぶり」と、ミスが出ても、小技でかく乱されても、第1セット落としても、決して慌てなかった。すぐに次のポイントに気持ちを切り替えた。
冷静でさえあれば、視野が広がり展開も増える。「気持ちが落ち着いていると、きちんと考えられる」。武器の第1サーブは47%しか入らなかったが、中断期間に練習した第2サーブが威力を発揮。平均、半分以下しか得点をあげられなかった同サーブで、55%も得点に結びつけた。
3月から中断した世界ツアーは、女子は3日のイタリア・パレルモの大会で再開した。すべてが無観客で、選手はホテルと会場の往復のみ、数日おきの検査など、徹底した感染対策が行われている。その息苦しさの中、今大会でも、すでに第1、2シードが初戦で敗退する波乱だ。「とにかく外野のことは気にしない。プレーにだけ集中する」。コロナ禍で、大坂が力強い復活だ。


