2度の4大大会優勝を誇る世界9位の大坂なおみ（22＝日清食品）が、若手の挑戦をはねのけた。14歳で全豪ジュニアを制した同137位の18歳、コスチュク（ウクライナ）の攻撃を受け止め、6－3、6－7、6－2の2時間33分のフルセット勝ち。3年連続で16強入りを果たした。4回戦では、先週の前哨戦準々決勝で勝った同21位のコンタベイト（エストニア）と対戦する。対戦成績は大坂の4勝0敗。

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以前の不安定な大坂なら、負けていてもおかしくなかった。失うものはないと攻撃してくる相手を、心を切らさず受け止めた。「これまで多くの大変な状況を経験した。多くのことを学んだ。経験の差かな」。大坂もまだ22歳だが、実績では比較にならなかった。

第2セット、ストレート勝ちで終われる好機を何度も逃した。逆にわずかのピンチを奪われ、同セットを失った。「なかなかショットが決まらなかった」と、タイブレークで2度、ラケットを投げ捨てた。最終セットも、1－2で自分のサービスゲームで0－40の大ピンチを迎えた。

これまでなら、この時点で終わっていただろう。しかし、今の大坂はそこで踏ん張る心の強さがあった。5本のブレークポイントすべてを逃れ、一気に流れを自分に引き寄せた。1－2から5ゲームを連取し、チャンスを逃し、肩を落とした18歳を突き放した。

大坂と言えば、これまで、凡ミスの多さを、エースや決定打の多さで補うスタイルが武器だった。この日は、相手よりもエースや決定打の数は下回ったものの、凡ミスの数も少なかった。安定した試合運びは、今後のスタイルに向け、大きな転機となるかもしれない。

左太ももには、2回戦の時と同様に、しっかりとテーピングが巻かれていた。ただ「動きは悪くはなかった。徐々に良くなっている」と、少しだけ明るい見通しだ。この日の勝利で、昨年と同じ16強入り。次戦の4回戦を突破すれば8強。4大大会では18年全米と19年全豪の2度、8強入りしているが、ともに優勝している。

◆WOWOW放送予定　6日午前7時50分から。同日午後11時55分から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス3、4回戦ほか。生放送。WOWOWメンバーズオンデマンドでもライブ配信。