札幌スキー連盟は12日、来年に開催予定だったノルディックスキー・ジャンプ男女のワールドカップ(W杯)札幌大会の中止を発表した。女子が1月9日、男子が2月6日から2日間、札幌・大倉山ジャンプ競技場で行われる予定だった。道内では12日、新型コロナウイルスに最多236人が新規感染した。コロナ禍は札幌を舞台とする国際大会にも影響を及ぼした。

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ジャンプの世界トップの戦いを、今季は札幌で見られない。札幌連盟がW杯札幌大会の中止を決定した。男子は80年から開催され、札幌で行われる伝統ある国際大会だった。正木啓三専務理事(59)は「選手や大会関係者の安全確保が最優先だが、この現状を考えると難しいと判断した」と説明。道内の新型コロナウイルスの新規感染者は12日で8日連続の100人超え。感染対策も含め大会開催を模索していたが、中止を決断せざるを得なかった。政府は日本で開催される国際大会に参加する外国選手への入国制限を緩和する方針だが、同大会に適用されるかは不透明。W杯の大会成立条件には8カ国以上の参加や、今季は総合トップ10の7割の選手の参加などが設定されている。選手らの移動にチャーター機を用意する必要もあった。その条件を満たすのも困難と判断したとみられる。

日本人選手も中止を惜しんだ。女子の高梨沙羅(24=クラレ)は「現在の感染拡大状況を考えるとやむを得ない判断だと思います。W杯開催に向けて尽力してくださった関係者、日本での開催を楽しみにしてくださっていた皆様には大変感謝しています。安心して安全な環境のもと開催できる日を私も楽しみにしています」とコメントした。男子の小林陵侑(24=土屋ホーム)は「地元開催のW杯中止はとても残念ですけど、3月のシーズン終了まで遠征を頑張ります」と受け止めた。今季W杯開幕のポーランド・ビスワ大会(21日~)に向け17日に出発する男子は、3月の最終戦を終えるまで帰国しない可能性が高い。